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ヒーリングのおもしろい結果!

確定した新しいマンションの価額と建替えマンションの概算額との聞に差額がある時は、その差額の相当額を建替え組合は各組合員から徴収、あるいは支払うことになります。
例えば、3500万円のマンションを取得した組員のもとのマンションの評価額が2000万円であったとすると、差額の1500万円を清算金として支払うことになります。 逆に、もとのマンションが4000万円の価値があれば、500万円が清算金として戻ってくることになります。
これが清算と呼ばれる手続きです。 建築工事が完成し、引っ越しもすみ、清算を終えると建替え組合はようやく解散することになります。
なお、組合員が取得した住戸に将来なんらかの欠陥が発見された場合、だれに対して欠陥の補修や損害の賠償を請求したらよいかということが問題となることがあります。 通常、このような責任は売主が売買契約上の責任として負担することになっています。
しかし、建替え組合が解散してしまうと、組合員としては責任を追及すべき事業主体がいないので問題です。 このような点についても、早い段階からよく検討しておくことが必要です。

参加組合員の参画を得ない(マンション再生協議会のデータをもとに作成)実例に見る建替えの問題背景にあるもの堕E圏マンションの建替え築初年を超えるマンションは100万戸に迫りつつあるといわれています。 むろん、そのすべてが建替えの必要性に迫られているわけではありませんが、建替えが実現した事例は、現時点で100棟足らずです。
制度の整備は進んでいるものの、マンションの建替えが非常に難しいものだという現実に大きな変化はありません。 このように、建替えが非常に困難であるという共通の認識がある中で、建替えを実現した事例にはどのような共通点があるのでしょうか。
もちろん私が直接、間接に関わった事例はわずかに過ぎませんが、そこには一定の共通点があるよう成功と失敗の分かれ道に思われます。 異論はあるかもしれませんが、あえてあげてみることにします。
〈立地や建物などの特徴〉。 ・築初年150年の建物が多い。
・旧耐震基準のもとで建設され、耐震性に関して不安がある。 ・都心部に立地し、余剰容積がある0・マンションの規模は比較的小規模のものが多い。

・全住戸がほぼ同一タイプ、同一面積に近いものが多い。
・給排水管などの傷みが進んでいる。
・隣地を取り込んで事業化できる。
〈事業上の特徴〉。
・等価交換、権利変換など方式は別として、余剰住戸を売却して事業費を捻出する仕組みである。
・建替え前と同規模の住宅が建替え後に無償、あるいはあまり大きな負担なく取得できる。
・コンサルタントまたはデベロッパーが建替え決議の前から関与し、決議の時には建替え後の条件を提示している(資金調達のめどが立っている)。 〈区分所有者、組織の特徴〉。
・人望の厚いリーダーがおり、比較的長期間にわたって建替え計画に関わっているメンバーが多い。
・管理業務のすべてを管理会社に委ねるのではなく、自主管理など主体的に管理業務に関わっている例が多い。
・総会などへの出席率が比較的高い。
・管理組合活動や自治会活動が比較的活発。
以上のような特徴をあえてまとめれば、次の3つのキーワードになるでしょう。

①建替えの必要性の高さ②経済条件のよさ③合意形成の基礎の存在当然のことですが、建替えの必要性が高いことこそ、困難な建替えが実現される第1の要因です。
建物の老朽化、耐震性や防犯などの安全性への不安、エレベーターの不備や段差などにより高齢化への不安など、多くの区分所有者が共感できる理由があれば、合意形成も可能となるからです。
第2に、建替えを大きな経済的負担なしに行えるか否かが、重要な要因となります。
容積の余剰があり外部に処分できる余剰住戸が確保でき、その住戸にも市場性があることで、区分所有者の負担が軽くて済む経済条件が確保されていれば、合意形成が可能となるからです。
そして第3に、区分所有者の聞にコミュニティがあり、リーダーを中心にまとまりがあることで、合意形成が成り立つ基礎が存在するということです。
以上のような3つの要素を充たしたマンションであってこそ、建替えについての困難な合意が成立可能であったのだと思います。 建替えの最大の課題は、これまで繰り返して申し上げてきたように、多数の区分所有者間の合意形成だと思います。
その合意形成を後押しするのが、「必要性の高さ」であり、経済条件の「有利さ」ということだと思います

。 「必要性」、そして「経済条件」という2つの要因はいわば難しい合意形成を容易にするための客観的な条件です。

そして、このような客観的な条件を充たすことができるマンションは決して少なくないものと思われます。 しかし、そのうち現実に建替えが実現している事例はかなり少ないものです。
その分かれ道に立つ要因が「主観的な条件」だと私は考えています。 では、その主観的な条件とはいったいなんなのでしょうか。
老朽化したマンション建替えの事例ではありませんが、2005年発生した耐震強度偽装事件に関連して耐震補強工事が必要とされたマンションの話をしたいと思います。 補強工事が必要といわれたマンションが十数例ありました。
その中で、私が参加したマンションでは、非常に順調に補強工事の合意形成が成立しました。 そのマンションでは、事件が発覚した2005年の秋から、区分所有者が誘い合って、ひんぱんにそれぞれの住戸に集合して話し合いを行い、電子掲示板を使って情報を共有化しました。
当初は、それぞれの聞にかなりの温度差があったそうですが、コミュニケーションが深まるにつれて、危機感や問題意識が共有されるようになり、2006年日月にはほぼ全員一致で補強工事の実施を決議しています。 新しいマンションを購入して、組んだばかりのローンが区分所有者に重くのしかかっているはずです。
それにさらに新たな負担が加わるのです。 いわゆる老朽化したマンションの建替えなどの場合、ある程度ローン返済もすみ、建替えに対する準備や心構えができているかもしれませんが、この場合は違います。

住民の方々の心中はいかばかりだったことでしょう。 しかし、決議のために聞かれた総会では、真剣な議論の中にも、区分所有者の皆さんがお互いに信頼し合あっていることが感じられました。
そして、相手の発言を暖かく見守る様子が、とても感動的でした。 耐震強度偽装事件という危機に直面する中で、マンションがひとつの共有財産であるということをあらためて実感し、運命共同体としての連帯感を深めたことは、これからの未来に向けた大きな財産に違いありません。
主観的条件とは、マンションに住むということは、運命共同体の一員だということを皆が認識し、問題意識や危機感を共有できる関係をつくり上げることだと思います。 例として取り上げたマンションでは、仲間を黙って、お酒を酌み交わしながら信頼を深め、ネット上の連絡網を整備して情報を共有化し、たがいの思いや考えが行き来し、共振し合う環境を意図的につくり上げていったのだと思います。
そのような地道な働きかけがあったからこそ、客観的条件が生きる土壌ができたのでしょう。

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